木炭の品薄
今年から取引を始めた通の炭。
通の炭とは通さんがやいているので、文字の座りもいいので、通の炭として売っている。
通の炭とPOPを書いてたら、失礼だとの、ヨジョン様のクレーム。
通さんが炭を配達したときに、失礼かどうか聞いてみた。
「通さん、通の炭って書いて売ってますけど、通さんは怒りますか?」
回らない口で言ったので、通じたかどうかは分からなかったが、通さんは笑って、「よかろ、よかろ」と言ってくれた。
そのことを、ヨジョン様に言うと、「アタイマエじゃ、本人を前にして、ダメじゃとは言えんじゃろうが」
お、おれはどうすればイイ?
それでも通の炭で売っている。
この炭が評判がよく、遠くからも買いに来てくれる。
その炭が、残り3俵になり、心ぼそくなった昨日、電話を入れる。
電話は留守電だった、
いつもは、留守電につながり、メッセージを入れるのだが、きょうはFAXにつながる。
うちのFAXは今年春から故障中。
困った俺は、「通さん、炭10俵お願いします、そのだ商店」と印刷し、もしいなかったら玄関先に置けるようにダンボール箱に貼って、もっていくことに.
歩くとちょっとの距離はある。
家近くまで行くと、見慣れぬ畑に着いた。
遠くでビーグルの鳴き声。
道一本まちがえたかな?
引き返し、正しい道へ。
家近くまで行くと、農作業をする人。
「通さん、いますかねぇ?」
「いるんじゃない」
今度こそ家に着く。
犬小屋にはビーグル。
この犬は、こないだうちに迷い込んできたなぁ。
クルミが死んでちょうど一年ぐらいの時だったなぁ。
あの時はびっくりして、「クルミが帰って来たよー」って、ヨジョン様を呼んだなぁ。
通さんはベランダに花を飾っていた。
俺は、「FAXが壊れて』と言いかけるが、口がうまく回らない。
もってきた張り紙を見せる。
理解したらしく、「すまんなぁ、今なかとやぁ」
ないものはしょうがないので、あきらめて帰ることにする。
かえりに犬小屋を見るとびーぐるがオンと鳴いた。
無駄足だったな。
でもクルミと会えたからいいか・・・。