あれでよかったのか
ふくどう橋までの散歩の途中、あれでよかったのかと思う。
耕一の会計処理。
会計処理は簡単だが、耕一もやがては、監査の役も回ってくるだろう。
俺が手伝うと、何も分からないまま、人の帳簿を見ることになる。
これじゃ本人の為にならない。
しかし耕一には、前俺と組んだ時も、大変助けてもらったからなぁ。
何も分からないからって、俺に頼みに来た時の、あの申し訳なさそうな顔。
ありゃあ、普段の作業で、満足な成果も挙げられなかった俺が、帰り際皆に、お疲れさまでしたっていう時の顔だったなぁ。
耕一も心細かったんだろうなぁ。
人間恩を忘れちゃダメだからなぁ。
ここはひとつこうしよう。
来年までに、その旨を耕一に伝え、今年は手伝う。
分からなかったら、友喜もいるし、だいじょうぶだろう。