合う
言い合いは
絶対勝てない
謎がある ひろいき
嫁の機嫌が悪い。
理由は分かっている。
きょう草を刈り払機で刈ってもらってたんだな。
なんかはじいたらしく、ビニールテープを取って、また作業に戻る。
テープを取るとき、なんかゴニョゴニョ。
飯の時にその話をする。
「あんとうはじいたばってん、穴が開いたごたいばってや、あんたー買えばいくらぐらいすっちゅう?」
また始まったよ、意味の分からない報告が。
おれはアンタ―が何なのかもわからばいし、どうしたのかも分からない。
ヘタなこと言って、また地雷を踏んだら、大変なことになる。
黙ってたんだ。
すると嫁が〔なんか言えや」
しょうがないので、「説明が悪くて分からないよ」
あれから機嫌が悪い。
そんな小さなことに。
小さなことと言えばテセウスの船。
「家族は大事にしろよ」ってしごく真っ当なことを言われただけなのに、殺人までするだろうか?
母と妹を亡くして、悲しみに暮れる犯人が、自分の親父が殺されるのを、黙ってみているもんだろうか?
だいたい現代のせいやは誰に殺されたんだ?
最後に文吾がいじくってた指輪、佐野家のタイムカプセルに心が入れたものだとは想像の範囲内。
しかし都合よく、開ける時を現代である30年後としたのはいただけない。
小学校のタイムカプセルもたかだか8ねんごなのに。